炬燵籠りで２月があけた。
春先恒例のお出まし　足指のしもやけ。暮れに転んだ脚がせっかく腫れも引いて靴が履けるようになったのに。ユべラを塗りたくっても、これは長引く。
あっ、ひょっとしたら、アンヨ大事で、動かさなかったのも、しもやけをのさばらせたのかな？血のめぐりを促さなかった。

ただ単に縫っただけ。マット。５６�p×１０２�p。
用意したのは、土台の麻布、生成りの刺し子糸、色糸はこの刺し子糸を草木染したもの。それに一コマ１２�p角のカード。あとはフリーハンド。
針目を揃えるはずだったけど、こういう単純なものほど難しい。揃わないのが手作りのぬくもりと、弁解じみた解釈でコツコツ。トップのバックまで大きくすると、やっぱりへたくそ。
地味だけど、たいそうな感じがしなくて、常づかいとして好きな作品。

暮れに生け花の根〆に使った庭のやつで。南天の実を丸めて芯に置いたら、洋花風にもなった。
もう一度のご奉公。複雑にしてルールを持った葉っぱ。とてもじゃないが描けないから、布に写して、大小は、拡大、縮小葉っぱのコピー。
とりあえず、生成りでデッサンしたところ。コレに色糸を足してゆこうとお試し中。
足し過ぎて失敗、凝りすぎて失敗を何度か経験した。シンプルにシンプルにだけど、ココもうちょっとココもうちょっとで、やってしまいそうだな。

やつでは、子どものころからの馴染の木。
ふるさとあたりの家はどこも門口に、簡単な腰扉のついた男用便所があって、その脇に大きなやつでがあった。
凍てる夜は、下駄の音も澄んで、風呂と夜遊びの来客、まず、用を足し、咳払いを二つ、これは留さんの来訪の合図。
祖父の火鉢の傍でやっていた宿題を急いで片付けた。
「頭洗わしてもらうんだったら、先にお風呂お貰い。」母が気を利かせワタシを促した。そんな時、留さんの湯呑茶碗に、母はお酒を注いでいた。
留さんは山家から村のはずれにあるおうちに、ご養子さんに来られて、まだまだ、おうちでの居場所が定まっていないようで、祖父は、「うちに来るのが留さんの息抜きだから」ともてなしていた。
大人の世界も大変なんだと子供心に、ワタシも留さんに愛想よくしようと思っていた。
煌々と月夜、やつでの葉っぱが、てらてらと光るのが風呂場のすりガラスからさえ見えた。
昔を懐かしみ、思い入れを深くすると、このマット刺繍、必ず凝りすぎて失敗しそうな予感。多分、手を離すのがもったいないと思って、今日も、また今日も針を刺すんだろ。

廃棄予定のアベノマスク、申し込みが殺到したらしい。
申し込まれた皆さん、それぞれ、こんな風に使ってみたらと、お考えらしい。ワタシも手をあげたかったひとり。
一応検針済、肌触りも悪くない。パッチワークで肌掛けにしたら、老人施設で喜んでもらえないかなぁと考えていた。
気持ちの中に、廃棄されてたまるかという想いも強かったはず。札束を捨てるようなものだし。
しかしです。為政者の負の遺産を国民が始末する図は否めない。
だから、ＡＢＥちゃんよ、そんなうれしそうな顔して報告するもんじゃないよ。
どう差引しても、負ッ　負ッ　負ッ！

見事ないちごの宅急便。豊島から。
三つくらいに切っても、まだほうばる感じの大粒、さくっとした歯触りと、さわやかな酸味がある。
いちご自体も見事だけど、このいちご、友人の息子さんの作品。
昔のように、一生ひとつのところで勤め上げるのは、流行らないとしても、中年からの転職はかなりの勇気が必要だっただろう。
親元を離れた子どもの門出は、これからの人生の可能性への模索であり、やがて、大人の成熟の結果として、いちご農家としてあたらしい門出をした彼の決意がお見事。
生きることは愛しいこと。いちごは、こころの中まで美味しくしてくれた。

息子氏の転職も、正解だったみたい。
車のフロントガラスが凍てる早朝、機嫌よく５時半に出勤。
出勤のあとは我が天下と喜んで、気楽に自分時間を全うのつもりが、なかなか。通勤１０分の近さがあだで、お昼を食べに帰る。
社員食堂が物足りないらしく、したがって、お茶漬けじゃうどんじゃで済ませていたワタシのええかげんお昼では済まなくなったこと。
なおかつ、真ん中の時間を組み込むのは、なかなか苦心が要る。
まぁそりゃ、頑張っておいるのだから。なかなか解放はさせてくれませんねー。