本日、近くで、手作り品のフリーマーケット。
籠り日が続いているから、そりゃぁ、張り切ったわさ。
いくら、今のワタシには、籠り生活に不足はないと言ったところで、入ってくるのは、不確かで、不安で、イラつく情報ばっかり。
この時期に、「オリンピックに看護師500人。」どの口が言うのかねー。

80歳、診察で「けっこうじゃないの」と先生。そりゃ、それなりにあれこれあっても、今のところ、許せる健康らしい。
「ありがたいじゃないの。」で、80歳の日々が始まる。
世の中には、もっとめでたがってくださる人が有って。
「このたびは、米寿、おめでとうございます。」と保険屋さんの誕生日ご挨拶。
米寿　米寿と何べんも喜んでくださるから、丁寧にお礼で済ませるつもりだったのに、ご本人が気付かれたらしい。あとは、恐縮ばっかりで。
気の毒に。もし、職場で上役に知られたらとこっちの方が心配になった。
8が付いたら、どっち転んだって、いいのよ。それなりの機能低下に、そういうことなのね、と自分で呆れる事が、日常的にあるんだから。

張り切って更新するつもりでいたら、あらまぁ、先月分の日記が消えちゃった。
1日ふてくされて、これは自分がしでかしたこと　と心当たりが見つかった。
ビルダーを使ってないから、ついつい、先の様式を使うため、タグだけ残して、中身は自分で消した。
20年、ＨＰやっててはじめての経験。
誰だって、預けてあるｎｉｆｔｙからダウンロードすればと思うでしょ。ところがもはや遅し。すでに消した分で更新するという愚挙。
さすが、80だわよ。

籠り日は漫画。趣味の同好者から上達の指南書と勧められて。
20年ほど前の「少年ジャンプ」発、全23巻。古い本だから、図書館がいちばん手っ取り早い。
自分では「美味しんぼ」を読み続けた経験で、食らいついたんだけど。
どっこい、80になると、漫画を読むのも、しんどい。
セリフと吹き出しと、やたら目玉の大きい少年の絵の小さな一コマ。
ぱっと見てぱっと全体が把握できて、迫力が伝わるとは行かないのよ。
少年の表情を見て、セリフ読んで、吹き出しを見て、やっと、一コマが終わる。
これでは、漫画の値打ちなし。「そういうことなの、80っていうのは」。自分の今に驚いた。

自分のあらゆる機能の低下に、びっくりしながら、これからの日があるんだろうなぁ。
悲惨に思うな、笑って受け止めて行こう。
そのうち、ボケたら、びっくりも笑いもなくなって、平穏だと喜ぶんだろうなぁ。それも、めでたし。

気を取り直して、せめて、小ぎれいなバァサンでで居よう。これならできるんだからと夏準備。エプロンドレス。
首穴を開けただけの長細い布を二つ折りにして、背中と前。背中脇下から付けた紐を前でくくり、前脇したにつけた付けた紐を後ろでくくっただけ。
ついでに言うなら、おんなじ色目で、ミシン糸を替えなくてもいい狡さ。
いやーねぇ　歳とると、めんどくさいが先に来て。

たけのこ生活の終わりは、喰った喰ったで、端っぽを貯めておいたたけのこを辛く煮て、山椒の実を待つ。
小分けにして冷凍、昆布を足し、山蕗を足し、シイタケを足しして、塩昆布用。
夏のちらし寿司にも、ピリッと使えるし。
この時期　ご機嫌のたけのこ生活。
今だから、たけのこ生活とは、喰った喰ったでまとめられる正味の意味なのだが。
戦後すぐの、食糧難の時代の、たけのこ生活を見ている。
母の着物が、祖母の着物がふろしきに包まれて、京都との県境、山科あたりの農家に出て行った。
帰りの風呂敷には、米や野菜が包まれて、しかも列車で米の検閲があって、みつかると没収されるから、逃れ逃れて、我が家の食糧になった。
着物を一枚剥ぎ、また一枚剥ぎして食糧に換えるその暮らしをたけのこ生活と言った。

籠り日が続いたって、台所さえあれば。大半は生協の宅配で助けられながらも、台所はわが牙城。
有る材料を、せいぜい無駄にしないメニュゥを考えるのが楽しみで。
「おおば、15枚　100円」
今夜は、豚肉に梅肉を塗り、おおばを巻いて、フライパンで焼き、ぽん酢、
明日の朝は、大根の千切りときざんだおおば、かつおぶしで、サラダ。
天ざる蕎麦にも使いたいし。おおばも忙しいことよ。
こんだけ使うことに、快感さえ覚えて。

「おおば」行方不明！　朝、材料を確認した後の豚肉と一緒に、冷凍室にござった。
どこが、牙城じゃ、快感じゃ。
探し物はしょっちゅうだけど、たかだか冷蔵庫の中でさえ、失せ物、探し物。
解凍したら、そのおおばが青虫の佃煮風になって、腹立てて、やがてじわっと迫る80歳の悲しさよ。

ハチクのチャンスはこれからと、頑固に執拗に、食い意地だけは、健在、死守。