母から　　永井　隆著　この子を残して　を読んでみたら？と渡されたのは、小学生のころ。
おぼろげながらのきっかけは、自由研究に原爆の事をと思いたった夏休みだった。
男親の子供との関わりのはなしで、そう印象に残ってもいないんだけど。
女優さん自死のニュースを聞いたとき、思い出したタイトル。
ワイドショウは連日、彼女の偉業を伝え、どこか、待ってましたニュースとさえ感じるほどのあの姦しさ。
まだ、一年にも満たない赤ちゃんが居ることから連想したタイトル。

誰でも死にたいと思うことはある。
これはとりもなおさず、生きている 生きたいと思う証拠で、もうちょっとなんとか　という上昇への希望があるからこそ。
死にたい　が　死んでもいいか　になってしまっては、何をかいわんやである。
亡くなった人をあれこれ詮索したくもないけれど、この子を残して　しまった罪は、確実にある。
父の顔も知らないで育ったワタシは、確実にそう思う。誰もそのことに触れない。
今になって偉業を偲んで、何になる？
個人情報などと、言いながら、例えば、新しい総理大臣だって、出来レース解かっていながら、ヤレ、性格はどうじゃ、奥様はどうじゃと姦しい。
欲しいのは、性格じゃなくて政策。

いまやっと、気が付いた。
本の種類が少ない時代、母がこの本を手元に置き、ワタシにも託したのは、母が苦しい毎日の励みやバイブルにしていたんだ。
オカァちゃんゴメン。

敬老の日に７０歳以上、それぞれの節目の年令の方に自治会から祝い金が出る。
うちの町内最高９５歳から、該当者１８人。
ふれあいで作った手作り品を添えることにした。
今年はみんなで寄ってというふれあい場が出来ないから、相談して、貰ってもらおうと。
男性はマスク中心、女性は小物入れ、巾着　毛糸のマフラーや、作務衣など。
古着や布の提供者にせいぜい戻るように考えて、配布。
しかしまぁ、この年寄り集落、６０軒に１８人とは。
高齢のお一人住まいの方も４名。

マスク入れを作る。立てて使えるマスク入れ。年寄りの部屋には華やかな色がいい。
サイズを替えたり素材を替えたりの試作。
便利だったら、これを、年末年始のお使いものに使おう。
ブラウスを縫いながら、アレが足らん、コレが足らんで、完成できず。

どこにも出なくて、ぐだぐだ暮らしで夏が終わる。
市からタクシー券を頂いた。７５歳以上、３０００円。ＧｏＴｏタクシーというわけ。
図書館往復に使おう。
夏のケガ以来、自分も息子氏も怖気づいて、図書館さえ、送り迎えの世話になるのはタマランから。
切実に、自由に図書館に行きたいよと思う。

花期の長いさるすべりがほろほろと揺れ、今年はリコリスが、盛大。
季節は、季節の通りに準備して、オイ！　わたし、早く秋の日楽しもうよ。