いい年でした。
華やかでも贅沢でもない毎日は好きです。
悲喜こもごもひっくるめて、新しい発見と新しい試練と新しい思考の源になってくれます。
その折々に手を差し伸べてくださる人があったことに感謝です。

あぶなあぶなの高齢家族。
気持ちだけは元気に新しい年を迎えます。

積み残しを抱えて途方に暮れるより、新しい年に余白を埋めると考えます。
だったら、がんばって新しい年の扉が開けられます。

御鏡餅を飾ったら、お年玉を用意したら、もう、お正月。光の色さえ変わったような気がします。

もう一仕事。今日お昼は母にお餅を食べる練習をしました。
あられのように細かく切って、フライパンで炒りました。
だいこんおろしを絡めて、お醤油をかけて。
息をつめながら見つめるわたしに、母は美味しいと笑顔を見せます。
お雑煮もこわ餅でＯＫです。
どうやら、喉につまりそうな思いをしたのは、介護人の方で。

いろいろおつきあいくださいましてありがとうございました。
来年は刺繍のウサギさんと登場します。
どうぞよろしく。

いい年にしてください。

いい年の定義を集めたら、なぁーんだ、生きている面白さ、身の回りの刺激。
極々、身近なもの見逃さないで心を動かすこと　大切にしたいと思います。

あわてております。
空調のコントローラーでＴＶをつけようとしたり、洗髪すればいつになく耳に水が入って、ごわごわとした音が耳の奥でしています。
なかなか予定通りにいかない上に、頓馬な出来事も生まれて。

母に暖かい靴を買いました。元気に歩けたらいいねーの願いを込めて。
靴はなんだかうれしいものです。子供が生まれたときにいただいた小さな靴は、枕元に飾って大きくなる日を夢見ました。
母は暖かいと足を宙でぶらぶらさせます。
思いついて、当面室内履きにします。
靴下では怖いし、きちんと底が硬いのもいいです。ピンクにしてよかったよ。

同じく介護用品のカタログからレッグマットも買いました。
ソファーに座るひととき、足を乗せると自分の体温が反射してぽかぽかなるそうです。
素材はＮＡＳＡの宇宙開発の技術で生まれたものです。
コードがないので選びました。
３０ｃｍ×４０ｃｍのお座布団ですが、母にはぽかぽかの感知がちょっと無理だった様な気がします。
おまけに立ち上がる時滑って母は尻餅をついてしまいました。裏に滑り止めがついたら、もっと完璧な商品になるのにと思います。
刺繍でお座りするとき敷くとコレまことにけっこうで、また借りますね。

ちょっと気になるのは「介護用品」とつくだけで、値段がぐーんと高くつきます。
昔、「福祉は金儲けじゃ」と言って顰蹙を買った大臣が居ました。
福祉や介護の仕事が、今ほど当り前で重要な問題となっていなかった頃です。
言わば、介護老人は大得意様であることは間違いありません。
介護される側も介護人も、ともに願う快適な暮らしの道具、もう少し安ければと思います。
保険の効く物もありますが、靴もマットもぜいたく品なのでしょうか。

暮れの街は救急車がよく走る。今日は夕方消防車もサイレンならして。

ひょっとしたら、昨日母は救急車騒ぎになるところだった。
実際、１５０の脈拍は怖い。
おまけに、常１６５くらいの血圧も急に低くなって。
１００はわたし並みなのだが、わたしは長年これでやってきたから、どうってことないけど。
降圧剤頼りの母にしたら、しんどかったのだろうなぁ。

母には「昨日は何でしたんや」と冗談も言いたいほど今日は普通で食事を美味しいと食べ、ひとりでトイレに行きだけど、思い出すたびにわたしの方が今になって身震いがする。

異常の頻度が高くなる可能性はある。
冷静にベストの対応がしたいのだけど、手慣れた対応の日々がやってきて、平然と立ち向かえるのもしゃくだし。
頭の中に確実に昨日の母の脈拍の音がする。

こんな日は、身体がだるくてヨッシャーのお掃除もヤンぺ。
外側から窓に水をかけて洗いたかったんだけど、やろうと思うと曇ってくるし。

干支　「卯」。
黒をベースにグレイの濃淡で筆文字を見ながら遊字を刺す。
もう少し太めの方がいいかなぁ。

あとは、お髭。
お正月だし、金糸で刺したいのだけれど、金糸の扱いは難しいし、アイロンに弱い。
すべてが終わってから刺すことに。

額縁はハガキサイズのものから選ぼう。
写真はほぼ原寸。
おおいウサギさん、ちっとはゆったりした年連れてきてよ。

「まぁ、そりゃ機嫌よく張り切ってお掃除していても、びっくりすることも起こります。」
コレは寝付いた母を見て、やっと深夜の感想というか、自分への落ち着き薬。

「暖房してると、のどが渇くでしょ。」と聞こえても聞こえなくても話しかける。
顔色が白すぎる。
耳元で話しても反応がない。
血圧、１０８、１１４。脈拍１５０。とりあえず、状況把握で出来ること。
やがて、びっくりするような大きな声で、「なんやワカランようになってしもぅてなぁ。」

往診を頼んで。そうこうするうちに、血圧１４０。脈拍５２に落ち着いた。

「早くて強い脈で息遣いが荒くなっても、今度はゆっくりと次の段階の脈が打ち始める。何段階にもわけて、ペースを戻そうとするから、いつまでも しんどいわけではない。」と先生。
母の身体の中で、母の命を守る機能はちゃんと頑張っていた。

「心臓もいっぺん休憩したい時もありますわ。血液もゆっくり流れてみようと思うときもありますわ。」
続いて「このまま止まったって、立派なおばぁちゃんですがな」と多分、わたしに言ってくださったことば。

ほんの１０分ほどの異常で、いつもの母に戻った。
いつだって、命と隣り合わせの緊張とあきらめを持っているつもりだが、慌ててしまう。

いっとき落ちていた食欲もすっぺりと完食するようになった。
この２,３日、やたら饒舌で、相手にしないとベッドから降りて、わたしを探しに来ていた。
「元気回復」はまた「燃え尽きる前の激しい炎」とさえよぎることがあった。
わたしが元気すぎるのもよくないかなぁと自分の調子の良さに、母の分を遠慮する気持ちもあった。

交錯する思いの中で、母を看る。
びっくりすることも起こります。当たり前のことです。

スリムクラブ　漫才。
恒例のＭ−１グランプリを見る。お気に入りはこの沖縄出身のオッサン風チーム　スリムクラブ。

悪くいけばイライラするほどの間合いなんだけど、かけ合いの話の面白さがどんな風に展開するか、本人たちと一緒に見る側も息を止める。
やっとして息を吐き出したとたんに、笑いが弾ける。
いっしょになって演じているような思いがする。
気楽に見る漫才が、見る者にも緊張を強いるような一体感が面白い。
受け手だけではいられないような感じになって、舞台の二人と一緒に呼吸する。

わたし、当面好きになる。

息子に母を頼んで、買い物。新しい調味料も探したい。

目にとまったのが液味噌。赤だしもちゃんとある。
味噌漉しを使ってうちの味噌汁。特に母は汁物がある方が食べやすいらしく、かなり頻繁に味噌汁をこさえるのだが、母の一食分の味噌汁に便利かもしれない。
もっと早くから醤油のように使える液味噌があってもおかしくはなかったとさえ思いながら。

たまたま今夜きしめんを予定していた。
山から下りて、やっとのの思いで辿り着いた中央線名古屋地下で、熱々の八丁味噌を使ったきしめんの命が蘇るような美味さを思い出したのと、
先日、讃岐で作られた餃子の皮がつるりとして母が喜んだのとで 思いついた。
もちろん乾麺でしかないけど。
ちょっとこれに液味噌使ってみようかな。

味噌は何種類か常備している。
具材の重いものには赤を使い、白味噌はお雑煮のほかに和えものに重宝するし、そして大概は信州味噌。

さて、液味噌の前でしゃがみ込んで考える。
便利そうは事実だろうけど、味や香り、おためしの小瓶もない。
失敗だったと舌打ちするのもイヤだし、息子にはこういう簡単調味料も教えておく方がいいかもだし。

結局、買わずにパック入りいろいろで帰る。
このパック、蓋の開け口が硬くて小さくて指でつまみにくいし、結局開けられずに包丁で淵を切り開いて。

いろいろ珍しい調味料に食指は動くものの、食べ物に関しては、保守的なんかなぁ。

ちょっとお外には出られない。寒いのはカナワン。
仏壇の磨き物のあとは、縦掃除。
天井やまわり縁や電灯類は済ませてもらっておいたから。
つまり板戸やドア、ガラスの拭き掃除。動いて自己暖房装置に点火したいわけで。
一枚脱ぎ一枚脱ぎしてほらね。身体を動かすことはかなり偉大。心の憂さも吹っ飛んでって、大した憂さがあるわけでもなく。

新聞が２週間分のＴＶ番組案内。
ざーっと目を通しても、これは確実に見たいものとか、若いころなら赤線引いたもんだけど、そういうのが見当たらない。

コレはやっぱりＴＳＵＴＡＹＡのＭｒ.ビーンとコロンボさんに無聊を慰めてもらわにゃ。

刺繍　干支　卯　３日目。

墨字の濃淡を苦心中。
ぴしっと角のある文字にもしたいし。
字を中心に行きたいんだけど、やっぱりウサギさんの目は控えめでも赤くしたい。
ひと針ひと針に来年の夢を盛り込む思いで、３１日までの楽しみ。
あわてない　あわてない。

今、深夜。いっこうにトナカイの鈴の音は聞こえませんが、それでいいのです。
今日の大きなプレゼントより、毎日のささやかな恵みで力を得て、生きさせてもらっているのですから。

どうぞ、サンタさん、あっちのお家を訪ねてあげて。
今年、あそこはお父さんが亡くなって、続いてお母さんが倒れられるという不幸がありました。
噂はしても、なんにもしてあげられなかった。
風の冷たい夜です。
心にぽっと灯がともるひととき、イブの夜をプレゼントしてあげて。

わたしは今もサンタクロースを信じています。
すぐそばのサンタを毎日探しているような気がしています。
豪華な箱も光るリボンも要らないのです。
頂いた小さな宝物を膨らせ磨いくのは、自分の責任だと考えています。

おかぁさまの紬の着物からチュニック。
なんともセンセ好みのピシッとしたものができました。

いちばんのポイント、襟まわりの飾り布カーブのミシンがきれいに出来た時から、期待してもいい予感がありました。
あとは身体に合わせて、ダーツの角度決め、袖の太さを何度も下に着るセーターに合わせました。
ボディの写真より、実際に着たとき、いかにも身にあった自分の服になりました。
同じ布でバッグを作ると必死のＩさんを尻目に、センセいつまでも見とれています。

リフォームの成功例のトップの仕上げで、今年のＬｅｓｓｏｎが終わりました。
今年のＬｅｓｓｏｎ８０回。準備を含めて、甲斐性以上の緊張があります。
何度か止めようかとも思いました。

この緊張がありがたいのです。
母を看る不安も解消してくれるのです。
生徒さんの力、針仕事以上にいわば我が家の明るい灯のひとときになってくれるのを感じているのです。

イブの夜、まことに聖夜です。

１０年ほど前、スポンジに研磨剤の入った消しゴムたわしが出た時はかなり興奮して、その年のお歳暮のおまけに付けた。
こんなすごいもん、宣伝しなきゃと使命感すらあった。
お茶わん類の洗いをはじめとして、ドアの取っ手や電灯のスイッチ板など、磨きに磨いて。
以後ずっと、何でもかんでもこのスポンジの消しゴムたわし。

今日、風呂場のタイルの目地と格闘して、思いついたのが重曹。
濡らしたタイルに重曹を撒く。しばらくおいて、亀の子たわしで目地に添ってこする。
お見事。リフォームしたての風呂場になった。
重曹が浮かした水あかのピンク。

撒いてしばらくがベターで、あんまり長くおいても効果は薄い。
みがいて、すぐ水で流さないと、汚れが戻りやすい性質がある。

今年の暮掃除、重曹　命　でゆく。

それにつけても思うこと、小ぜわしい気持ちでタイル掃除なんて、も少し暖かい時期に毎日丁寧にお掃除したら済むことで。
幾年暮れを数えても、まだこの当たり前の反省になる。
「優雅」よ　優雅。
優雅に過ごすためのだんどりは、常日頃がモノをいう。

で、暮れ掃除今年流。
午前で終わり。午後は優雅に針仕事。コレを積み重ねる。
若い時のように一気にとは行かんのです。
一日一点豪華主義を貫かないと、あっちもこっちも広げっぱなしになって。一気の弊害。
コレは家訓。「オカァサン　ばばっーとやったらアカンよぅ」が走るわたしにあの人の訓示だった。

干支　卯。２日目。
布は絹のハンカチ。刺繍用の麻では、２５番手１本どりでは、織り糸が太すぎる。
せめて糸と同じくらいの細かい織りでないと。
あれこれ探して、結局行きついたのがハンカチ。
色も真っ白でないところがいいし。
裏にシルク芯を貼って、張りを持たせる。

文字の「卯」の字を筆で書いたようなかすれやすみの濃淡を出したい。
「遊字」でそれが上手く行くか。
だから、今日はアウトラインだけで、特にハネのところはどうかすれるか、明日実際に筆でやってみる。

田舎かの友人から宅急便。餅米、柚子、黒豆、杵つき餅、それに味噌梅ドレッシング。
彼女らしいいろいろの選択がありがたい。

「こわ餅」餅米にお米を混ぜてついたお餅。悩んでいた母のお雑煮が解決した。「こわ餅」は口の中でほぐれる。 これなら喉に詰めることもないだろう。
黒豆は大量に炊いて、母のお三時にもする。お茶うけにほかのお菓子類よりなんぼかいい。
味噌梅ドレッシングは、彼女の特製。
まだ青い梅を味噌と氷砂糖で漬けこんだものだが、いつも夏の贈り物だった。
わたしの好みのドレッシングで、まだ十分熟れていない夏の間に食べてしまうと話したものだから、完熟する冬まで彼女の方で保管しておいてくれたもの。
贅沢な柚子湯で身体ほっかほっか。

お互い母親を介護の身、お互いバタついて便りもないけど、箇条書きで「疲れたらアカンよぅ」と一筆。
いつか、ゆっくり話せる時期がくるのかなぁ。今は感謝のみ。

ふふっ　３００日刺繍の見通しがつくと、人間は強くなる。
掲示板でむーさんの卯年の刺繍。いただき！
わたしもこれで新年を迎えよう。
毎年毎年同じ感じで干支を刺すことに決めた。鏡餅の横に飾る。
ま、今年はいい。
ただし、１２支、１２年間の仕事になる。８０を超えますけど。
掲示板の写真を写して拡大、１２支をＡ４に刺繍で統一するつもりだったけど、 単純な図案だから、少し間が抜けた感じになる。
おんなじ額縁にしなくったって、額は自分で毎年作ったっていいじゃない。
で、今夜からスタート。

元日に「ととのいました！」を狙う。
見事ととのったら、来年の優雅１年に希望が射す。
優雅希望とは、心に負担をなくすことよ。おもむくままに生きる。そのためには汗もかく。

なんて元気な年末なんでしょ。

霧の朝は、午後から雨になりました。
皆既月食はダメですねー。解明されていることでも、天体の現象はロマンの思いの方が多くて。

ケアマネさん、１月の介護計画。
家では温度管理が大変な時期、ショウトスティを勧めてくださるが、今のところわたしの甲斐性でやって行ける。
１日乗り越え、１ヶ月乗り越え、１年乗り越えでやれて来ましたねー。

いちばんの原因は、母の穏やかな性格をあげてくださるんだけど、毎日見ている介護人はそうでもないよと思う時がある。
気持の中では「言うこと聞いてちょうだいよ」と思い、伝わってないのかと悩んでいるのに、いっこうに朝の早さが直らない。
今朝も早くから着替え中「これはアカン、ちよっとも暖かくない。」と自分でタンスを開けたり閉めたり。
バタバタの朝のうちは「勝手に遊んでおいやす」と思いながら、背の低い整理タンス上から引き出し開けっ放しで、「倒れて来まっせー」とハラハラさせていただく。
せっかくみんなでお鍋を囲んでいるのに、後ろ向きに引っくり返って、自分で笑って。
こんな日をいつまで送って行くのでしょう。ま、私の仕事だから。

Ｌｅｓｓｏｎ（194）
結局Ｙさんは、長い同じスカートを３枚縫ったことになる。
そのたびに仮縫いして、かなりいい型紙が採れた。
このやり方、わたしとよく似ている。
１枚では絶対気持ちが収まらない。もう１枚作ったら、もっときれいにできる気がして、繰り返してきた。

それぞれのやり方があって、面白い。それぞれのやり方で対応できるＬｅｓｓｏｎでありたいし。
Ｙさん、今年のＬｅｓｓｏｎはおしまい。
家のことバタバタしたいからと、早終い。

朝方、雨が降ったらしい。昨日の花植えは正解だった。
このところ朝が起きにくい。やっぱり、かなり前日に頑張ってるからかしら。

洗って磨いての毎日は、手がぼったりとして指が太くなったみたい。握りにくい。
いっぺん、休養日。
だからと言って刺繍では、手の休養にはならないけれど。
手と目しか使いどころがないんですか。わたしの身体。

もう、完成が見えたから、３枚目は今年中にやり遂げたい。
おめでたい「熨斗目」のタぺで今年を締めくくる。

３００日刺繍　４月から延々がんばったことよ。
いちばんはかどったのは、朝の３０分の積み重ね。
一気に仕上げるのは、意外にはかどらない。コツコツチマチマの偉大さを思う。
そういや、編み物だって通勤の待ち時間の積み重ねだった。

来年の夢を追う。今年はしきりと新年が待ちどうしい。
「いい年にしよう」の期待が例年よりも大きい。

「いい年」の中身は、そんなに大したことでもない。
ばたばたしないで、優雅に暮らしたい。
「あぁでもない、こうでもない」で悩まない。
死んでも不足の言えない年齢を頂いているんだから、だったら、堂々と厚かましく、わたしスタイルを楽しもう。
ちょっと派手目でおしゃれもしたいの。
パンツでばたばた走る暮らしなんて、かわいそすぎるわ。

午後本屋。「すてきにハンドメイド」。いつもは山積みにされているのに残り２冊。
一冊をわたしが買い、一冊を駆け込んできた人が買う。
人気があるのか、取り寄せ冊数が少ないのか。
「ＫＡＧＥＲＯＵ」を勧められたが、そんな怖いことしません。海のものとも山のものとも分からない本に時間を割く気は無い。
大体、大きな話題本にアタリは少ないと。
ずーっと残ってきた本の値打ち、４０年くらい前の松本清張が今面白い。
初期のころの清張の本、丁寧というか、行き届いた文章というか。

新発見。
母の食後はたいていが隠し包丁を入れたリンゴだったけど、今日初めてみかん。
ちょっと皮をむき始めておいたら、ゆっくりかかって、皮をむいて、白い筋を几帳面に取って、 ゆっくりゆっくりみかんを食べていた。
せいぜい寝る時間を少なくしてほしいと思うから、いっつも食事は「ゆっくりね」でやってきたんだけど、みかんが力を貸してくれた。
しかも、切り刻んで準備万端のメニューより、自分の手で何かをして食べることって、とっても楽しいだろうし。
もちろん、みかんの皮がきれいに剥けていないけど、時間をかけられたことがとっても嬉しい発見。
当たり前の発見だけど、またひとつうれしい収穫。

空調と加湿器の中で過ごすより、今日は断然外がいい。

落ち葉かきと花のお世話。
おりづる欄の冬囲いは今日はまだ蒸れそうで、芽の出たチュウリップや菊に油かす。
水仙の葉っぱも元気がいいから肥料をあげたいのだけれど、毎年毎年世話をしすぎて、花付きが悪い。
過保護の子育てとおんなじらしくて、葉っぱの図体だけ大きい失敗の繰り返しだから。
吹きっさらしの越前海岸の水仙のこと思い浮かべてよ。
荒れ地にあんだけの花を咲かせているんだもの、意地悪してるわけじゃないのよでわざと知らんぷり。

ノースポールのこぼれ種からあちこちに若いぎざぎざの葉っぱ。
春の元気な花だから、拾い集めて花壇に。

今日はゆっくり磨き物。重曹でナイフやフォーク、スプーンも金串もピッカピカになった。
寝る前に、戸棚一段づつ常使いの食器をハイターに漬ける。
パイプ洗浄液を流し込んでハイおやすみ。

お掃除のプロや家事評論家がＴＶにお出ましになって、お掃除のコツをご披露。
水道の蛇口にトイレットペーパーをミイラのように巻きつけて濡らし、浮き出した水あかを吸い取らせるんだそうだけど、
なかなかなるほどとはイキマセン。
濡れてこびりついたトイレットペーパーの後始末を考えたら、プロというのは厄介なことやらはりますな〜で。

通販のモップが初めて快哉。天井と周りぶちのすす払い。濡らしていない新しいモップは軽くていい。

走ってます。
京都の本家に暮れのごあいさつ。ついでに親戚のおばさんの最期を聞く。
たいへんやった　んだそうで。
亡くなって３ヶ月も経てば、たいへんが、どうやら批判に変わったようで、かわいらしくない年寄り像になっていた。
近しい人を亡くすというのは、愛憎が噴き出てくるわけですなぁ。
ただ、母とおんなじような状態で、最期苦しまれることはなかったか聞きたかっただけで。

話題が変えたくて、来年のあの人の法事の相談。
いちばん寒い時期に、おいでくださるのは、見事年寄りばっかりで案じる。
自然が好きだった人だから、萌える春に朗らかに思い出の献杯と施主は行きたいところだが、
ま、ご意見拝聴で済まそうか。こういう世界は踏襲に限るか。
大体、律儀に意味を考えすぎたり我流で突っ張ると、かえってややこしい。
形は形、あとは「萩の露」持参で山に行くさ。

ユザワヤもパスよ、食材買って、京都終わり。

走ってます。
図書館。これはまぁ、私の正月準備。あとはＴＳＵＴＡＹＡを足せば、ばっちり籠れる。

走ってます。町内役員会。

というか、母のディケア日が、あと２日しかない。外に出られる日は、走ります。

外回りを済ませば、ほうら、快適な暮れの日々になる。

快適ですとも。けじめをつけるのは。
すかっとして年を越せれば、けっこうなことで。

生協。１２月月末２回分の注文。
でもねー、今はずいぶんラクになった。
おついたちのたった一日さえ整えば。
食品のカタログを広げて、母に「お正月ねー、みんなおばぁちゃんに会いにやってくるよ。」
うれしいのか師走でせわしないのか反応なし。
去年は確かに、お年玉の用意しておいてと言った覚えがある。

昨夜１時ころ、わたしの部屋に忍び寄る足音。
おぼつかない母の足音。
ベットの隅のみー子さんをしきりに追っ払っている。
「そんなとこ、乗ったらアカン」。みー子さんとは相性が悪いから、何かにつけて小言の的なんだけど。
そのあと「どうもないの？」と来た。

「なんか、叫んだから」で、わたしの様子が気になったらしい。
「叫んでなんかいないよ。」まだ本読んでたもの。
夢か幻聴か。確かに夢はよく見ている様子。びっくりするほどはっきりと隣の部屋まで聞こえる寝言を言う。
夜中のびっくり。あとは何事もなかったように寝てくれた。やれやれ。

メダカの迎春準備。水槽の大掃除。
背中にお日さまを受ける格好で始めたものの、手の冷たいこと。

こりゃ、家の中仕事。
本の整理は、ついつい本読みとなって。
本といってもマンガ。
四コマ漫画って、もっと記憶にあると思ってたんだけど、全部、はじめての感じ。覚えてないなぁ。 だから読みだしたら止まらなくて、へたり込み。
それに比べりゃ、「のらくろ」は破格。学校に入る前から、ルビの打ったのを読んでいた。
吉良邸の討ち入りも、戦争部隊の厨房の煮っ転がしも、全部のらくろ仕込み。デカ二等兵と渡り合う顔つきまで覚えている。
子供心に威張っている割に難儀そうな顔をしていると思ったのらくろ。
黒白の印刷が主流で、色のついたところは、橙色だけだった。
ま、ほかに本がなかったから、読んだ回数が破格なんだろう。

本日　農業。収穫だけの農業では申し訳ないけれど、「畑に取りにおいで」でさそわれりゃ、長靴探して行きますわよ。
日持ちのする根菜も欲しいけれど、見よ、このターサイの生きの良さ。
りくりくとした肉厚のみどりが重なり合って大輪の花！直径５０ｃｍ。
スーパーでなかなかないのに、割りと簡単に栽培できるんだそうだ。
日刊に載せてやるからねと大事に抜いた。

さてどう料理するか。くせがないから、刻むのはイヤだから、中華風スープ。
生姜で香りづけした油でさーっと炒めて、鶏のスープ。って言ったって唐揚げ用につけておいた酒醤油で味付け。 なんと安直だけど、ターサイの事始め。
ハムとタケノコで色どりにして。

その他、泥のついた大根、大きなお尻の水菜。欲張っていただいて来ました。
顔の大きさくらいある丸大根、尻餅ついて泥がついたのはわたしの方。
日刊に載せるのは「こっちでしょう」と農家の奥さん。鮮度が違うわよ。
当面のしあわせキッチン。

「家で手芸はなんだかケソケソして」帽子の出来あがったＴさん。
じゃぁ端布でバッグ作りましょうよ。
ただし、Ｔさんもセンセもおんなじ型で、芯も縫いもお互い自分流でやってみましょうよ。

ねらいは、どうしたら合理的に縫えるかという方法の違いと
モノづくりの個性は多種多様、その良さを見つけ出したい。

自分が提案したんだから、夜なべして。

数作って来られた生徒さんの知恵に時々「あっそうか」と思う時がある。
延々習ってきた者より鮮やかなお手並みを見ることが出来る。

ずーっとやってきた「秘密のワンピース」は実はわたしにとっては、はじめての試み。
仕上がりも変わらないと解かっているのに、どこかでルートから外れられないいらだちがあった。
今でも「こんな簡単でいいのよ」と思う気持ちと、習ってきたことを崩せない気持ちが交錯する。

ギロチン。諫早湾開門の方向。
中学生のころ、諫早湾の台風のニュースで入り込んだこの地方の海の風景に興味をもっていた。
やがて、潮止めのギロチンが建設されて、鉄板が湾をせき止めてゆく風景を怖いなぁと見ていた。
数々の漁業被害が報告されて、一方で干拓地に農営も始まった。

「怖い」「薄気味悪い」感覚だけで、自分の意見を持つのは正しくないとは思う。

自然を人間の手で制覇するかたち、いっとき箱もの行政に走った時期のように、モノを作ってしまった弊害をいつも懸念する気持ちがあった。
諫早湾のギロチン分断は、実は潮の分断ではなくて、どうモノを作ってゆき、どうそこに住む人が発展できるか、そういう境目を考えさせてくれる。

ほんの気まぐれで通販モップ。後日談が降ってきた。
携帯に通販会社から電話。「使い勝手はいかがですか。」

で、もろもろの不満点をここぞとばかり、述べました。
「絞りが不足です。あれで畳は拭けません。モップで拭いてそのあとを歩いたら、靴下が濡れます。モップを支えるテーブルが大きすぎて、隅がきちんと拭けません。」

通販のおねぇーさん、そこはお商売。このうるさいオバサンを上手に褒め、なだめ、絞りのコツを教えてくださいましたとも。
「コツ」って言ったって、そう目新しいものでもございませんでしたけど。

なだめておいて、やおら洗剤の宣伝。良く汚れが落ちるんだそうで、まことに時宜を得たお商売。
わたしによく落ちる洗剤勧めてもあきませんって。
洗剤そのものがあんまり好きでないのです。ましてや、「よく落ちる」といわれると怖くて。
お風呂にどうしたらカビキラーを使わずに済むか、かなり真剣考慮事項で。
よく落ちる分、わが手でわが腕でわが思考でクリアしたいと考える方ですから。
やんわり断って、わが腕撫でなおし。

しかし、一回買うと、実にこまめなフォロウがあるんですな。

そういえば、葬儀会社も爾後ゴシンセツでございましたわ。
いまだにお世話になって送っていただいたあの人の名前で、ご機嫌うかがいなさってくださって。
アリガタイコトです。もうちょっと、ハイリョされてもいいんじゃないですか。
さらにそういえば、ユニセフだって、あの人に寄付依頼されて、お名前カード作ってくださってます。
いっぺん、天国に伺ってみます。
「そこから、ご寄附、出来ますか？」　返事は長くかかるでしょう。

赤穂浪士の討ち入りの図は、雪降りの背景。
それにしてもこの暑さ。と書いて、あっそうか。冬装束ではね。

母のこれからの一番の注意事項は、温度調節。
母の意識も「暑い」「寒い」はしっかり感知しているし、口にする単語もこれが一番多い。。
薄手のものを重ね着させて、脱いだり着たりにしたいんだけど、問題は母がめんどくさがること。
こんな母ではなかったのにと、思いがけない母像にぶつかる。
一枚脱いで、きちんとたたんで、そんな母だったのに。
歳をとるのは悲しいねー。

Ｙさんがうはうは喜んで買ってきた布。ともかく驚くほど安かった。起毛の布。
スカートの裁断をしてもらいながら、センセ心配になってきて、１０ｃｍ四方の布を水洗い。アイロンで乾かして縮率をチェック。
糊が抜けてふなふなの布になったけど、意外と縮まなかった。
言わなかったけど縫いにくい素材。
作ってみましょう。自分で布を選んで買うのは大切なことだから。
経験の中で得とくして欲しいし、「おんなじ作るのなら、氏素性のわかった布で」の忠告も経験してもらってからの方が効き目がある。

別に年末だからということもないのだが、ま、ゆっくり気分の正月に長いスカートでという意向だから。
起毛で鼻はグスグスなるし、声は嗄れるしで、がんばった。
Ｙさんもよくついてきてくれたし、もう半日Ｌｅｓson日を作って完成と行こう。

あの人、この人、作品の進み具合を整理しながら、「今年のうちにここまでできたら、気持いい」と算段して、残りのＬｅｓｓｏｎ日の合理的進め方の計画。
あらっ、ワタシ、「気持いいまで行かないわ！」。
中途半端なままのものどっさり抱えて、気持ち悪いまま年越しますか。

しおしおと小雨です。

今日、トップのページ　リンク先に新しいお仲間を迎えました。
お寿司の丸萬さん。そんじょそこらのお寿司屋さんではありません。どうぞきれいな料理写真で堪能してくださいませ。
話を煮やして、出かけませんか。カウンターで大将が細工寿司つくりを見せてくださいます。
京都で修業のあと、瀬田駅近くに店を出されています。
細工寿司の第一人者です。
どうしても弟子入りしたい旨を伝えたら、「絵が描けますか」が返答でした。
姪っ子を見合いさせたいとお膳だてした記憶もあります。

図書館勤めの時代からの付き合いで、以後、法事もお誕生会もすべてお世話になりました。
大将に惚れて、もう３０年は超えます。
あるときは、ＴＶ撮影の客として近所の方をかき集めて出かけました。
「丸萬　膳所支店」と勝手に支店長になって、近所の注文取りをして配達を頼むこともあります。

もうひとつわたしが惚れているのは、床の間の花。近くの文化公園の雑木林から集められた自然の木や花がいつもさりげなく活けられています。
お手伝いの裏方さんの仕事だそうです。
いつかわたしの作品展をこのお座敷でやって、針仕事ぐらしの閉めをと考えています。
お土産はケーキにも似た大将の細工寿司で花を添えてもらいましょう。

リンクをひとつ消しました。
隣のリンク先「きたにひと」さんから紹介された、京都先斗町のお茶屋さんのおかぁはんのＨＰでした。「吉うた」さん。
舞妓さんの絵描きが大集合の感じで賑やかなＨＰでした。日本画と油絵の舞妓さんの競演でした。
ＨＰを閉じられました。

もうひとつ、消さねばならないと思っているＨＰがあります。
わたしに日刊を勧められた徳島の今関さん、「てんとう虫の背に乗って」。
脱サラして自給自足の農家になられました。農業体験を何冊も本にされて、地域振興に走り回っていた人です。
２００９年１２月が最終更新のままになっています。
ご病気。その夏にステージ４のがん宣告を受けられました。
大津に来られたのは、その前年でした。それから自家製味噌や醤油が送られてきて、親しくしてもらっていました。
気のなりながら一年、まだリンクを外せずにいるのです。

ネットとは面白いものです。
いつの間にか仲良くなって、忘れられない人になります。
顔を合わす楽しさとはまた別で、逆に日頃の生身の付き合いがないから、自分好みの印象を増幅させてくれるのかもと思います。

お顔も知らない人たちが、私の世界を広げてくださいました。
いろんな人の暮らしを垣間見てそこから得たものが小さな暮らしを支えてくれているなと思います。

お宮さんの落ち葉がきれいに掃かれて、小型のトラックにいっぱい積み込まれていた。
世話役が注連飾りの準備をされていて。
それでも、冬に向かってまた新しい草。来年こそ、この神社の一区画、自分の責任できれいにしよう。

朝一にお寿司屋　丸萬の大将から電話。店のＨＰができたお知らせ。
丸萬は細工ずしで有名なお店。「こんなきれいなお寿司、ＨＰ作ってお披露目しましょうよ。」とＨＰ作りを応援していた。
ところが教えてもらったアドレスから出てくれない。
せっかく、リンクしようと思っていたのに。
お店の忙しくない時間を見計らって、もう一度尋ねることに。今日は日曜日で、お座敷忙しいだろうから。

今日は静か日。
母も割と暖かいと一日起きているし、息子も昨日深夜で勤務が終わってお休み。
バタバタするのは気が引ける　というか、年寄りがバタバタするのを見せるのは、情けない気持ちにさせるのがオチだ。
アトリエを暖かくして、騒々しさ源　一人と１匹、「静かにしてようね」と目配せして。
目配せが通じないのか、なんか思い出したように走っていらっしゃったけど。
わたしも気持ちは走っているけど、ココは鷹揚に。優雅な毎日を過ごしているのよと見せておきたい。
この間から×点続きだから。こけた、やけどしたとしょっちゅう顔をしかめていた。

今日は失敗。
予報で気をつけていたんだけど、夕べの小雨のあと、朝の太陽かなりだったもん。
カーテン洗えば、昼には吊るせる。はずだった。
それにカレーさえ作っておけば本日鬼に金棒。

ところがにわかにかき曇り。
暮れの一番大事なものは、おてんと様。晴れならどんだけのことがすいすい行くか。

こころそがれて、午後はだらだら、夜もだらだら。
カレーなんか作っておくんじゃなかった。
だらだら防止の遊び場残しておくんだった。ホントに忙しい日にカレーを持ってゆきたかったのに。

あした、仕切り直し。

庭のアネモネ、オキザリス、菊、ガザニア。秋植えが咲いた。うちの一等地を与えたんだから。
お正月を飾る花たち、段取りよくやってくれます。
千両は実が少なくて、ま、活けるときにはかなり実は外すから、こぼさないように大事にすればいいでしょ。
あとは、近所の大王松をおねだり。
天気のいい花壇はご機嫌。

３人相手は手強いか。ノンノン。
３人をまんべんなくどう引き立ててゆくかなんてまったくの杞憂。

端きれで帽子。端布って言ったって、丁度あった紳士物カシミアコート地。確かメーター４万円した記憶があるから、捨てるに捨てられず、帽子になってＴさんの 上等の冬ものに。
黒の雨コートからスカート。銘仙柄をアップリケして。
さて、どこに着てゆきましょう。びわ湖ホールのご招待もないし　だって。
紬の着物からチュニックとカバン。
生徒さん、それぞれさっさかさっさか。
センセ、こうしたら、ああしたらとむしろ遠慮しながら意見を言うだけで、それも通ったり通らなかったりで。
自分の手なれた手法で進まれる。

任した方がいい。
失敗だったか成功だったか、これも任した方がいい。
モノを作ることは、その没頭する過程が面白いんだから。
この面白さを堪能できるのは、今までのキャリア。他人の入る余地なし　の、そんな教室。

生徒さん同士が、面白いことを始めている。
「わたしの着物いかが」「欲しい」で商談成立。
まだしつけのついた大島紬、千円で取引きされたいた。交ぜてよセンセも。

別荘に。
おんなじ晴れでも、今日は対岸の三上山がはっきり見えて、冬晴れ。
「今年はもう来れないよ」で持参の南天に白い菊を買う。「難聞く」では困るよねー。だからきんせんかプラス。
先に迎春しておいてね。
躓きながら、迷いながら、１年が越せそう。
安心していいよ、褒めてもらわにゃ。

ＪＡ詣でが別荘行きのメーンとなったかなと苦笑しながら、野菜をどっさり。
特にここの不細工なごぼうのすごさ。ばりばり。これがお目当て。
頼まれものの卵ときなこ。

親不孝な息子だけど、別荘行きだけは、自分の仕事と思っているらしい、空いた時間に予定を入れてくれる。
晴れている間でよかった、午後は曇りで寒風。
今夜あたり、みぞれの中だろ、あの人ともうちょっとしたらわたしの比良のふもとの別荘。
暮れの仕事、またひとつ済み。

Ｌｅｓｓｏｎ　Ｙさん　ぎっくり腰でギブスぐるぐるでは、せっかく形が出来たのに仮縫いができず、茶話会。

母ディケアから帰宅。
連絡帳で施設での母の状況を知るわけだが、「元気でにこにこなさってました。」のあとに、わたしあてのお便りがあった。
「いつも、お出迎えありがとうございます。ご家族様が元気に迎えてくださると、一日の疲れが吹っとびます。」

一日籠っているから、夕暮れ時、外で足踏みしながら母を待つのだが、やがてご近所の方もやってきて、母を派手に迎えることになる。
この頃、添乗は新人さん。その方からのお便り。
まだ若いから、「わたしが通うようになるまで、がんばっていてね。」と先日しんどい仕事を選んだ彼女を励ましておいた。
出かける日は「遅め」の送りを頼むなど、わがままも言う介護人だが、許してくださって感謝されて。
なんでもないことをこんな風に思っていてくださったんだ。

人間の付き合いなんて、ホント、ちょっとしたことで心が交わり合う。

どこかで、母が施設で居辛くないようにという打算もあったかなとも思い、
このお便りでそんな邪心を恥ずかしく思う。
ありがたい、助かったと思いながら、人間をプロの仕事を１００％信じてなかったんじゃないの、わたし。

ありがと、若い人に教えられました。

「誰かの精気吸ってるんちゃうか」母の定期往診でホームドクター
しみったれたわたしの顔を見てお笑いになる。
つまり、おばぁちゃんの方が介護人より元気だと。
「いろんな人見てるけど、このおばぁちゃんにはびっくりやなぁ」。母調子いいらしい。
ま、それは毎日見て感じていたから正解なんだけど。

「このネコ、７歳くらいか」とネコ好きのドクター。携帯待ち受けもネコ写真。
いえいえ、この間私の年齢超えました。ネコも元気とおみたて。

してみると、我が家でしょぼくれてしみったれているのはわたしだけですか。
負けずに元気出していきましょう。なんだけど、夕食を済ませて、夜のお茶をベッドサイドに用意して母が寝付くと、
ホンマ、呆けたようになります。

それなら、寝られるうちに早く寝たらとなるわけですが、「そんなもったいないこと」と思うわけです。
１００％自分の時間を一日のうち少しでも持たないと、心までしょぼくれそうで。
ただ、こういうちょっとした欲望が、がんばれる自分にしてくれているのかなと思います。
欲も得もなくなってしまったら、怖い気がします。

　おまけに喜ばしてくれるのは、１５ｃｍほどの葉っぱを刈り取ったあと(上）、水で栽培できる。 茎の枝分かれした間から新しい芽が出て、下は５日目。

メダカを飼うのと一緒で生命を見つめるのは楽しくて。 ９０円そこそこで、２度楽しめる。

まだ、生産業者が少ないのか、いつでもスーパーにあるわけではないけど、これは三重県四日市産。
アクセントになる筋野菜が好きで、みつば、セリと一緒に常備したい食材になった。
なおかつキッチン栽培。

好評は炒めたもやしに和える程度に混ぜて、食べるラー油で味付け。
鍋には菊菜より煮てもしゃきしゃき感が楽しい。

エエ男が整然と詫びても、あんまり詫びている感じがしない。

更新の準備をしていたら海老蔵の記者会見のＴＶ。
わたしもお騒がせの被害者に交じったつもりで、記事差し替えとしゃれて見る。

ところで、彼はなんで記者会見して、あんなに謝ってばっかりだったのだろう。

「世間をお騒がせ」って海老蔵さんに限らず政治から虐待までお騒がせばっかりの世の中なんだし、
「親不孝」なら、ご両親の前で頭を下げれば済むことだし、
「妻に」なら、「どうぞ、愛想尽かしたら、別れてください」で印鑑ひとつでＯＫだし、
勤務先なら、退職願いを内ポケットにしのばせて、、、。

ホントに謝りたかったことイコール世間が知りたかったことは、「覚えはありません。」「やってません。」否定ばっかり。
酔ってはいたけど、やられっぱなしのいい子ちゃんだったのね。

現に相手も診断書が出ているわけで、まさか、海老蔵さんをぼこぼこにした加害者に「兄きぃもうやめろよ」で子分がやったわけでもあるまいに。
自分が一方的にやられたのなら、歯ぎしりして悔しがる方が若い青年らしくていい。

「やってません」で済めばいいけどね。

反省の部分は、消え入りたいほどの身もだえで反省する。
やられた部分は、悔しさで涙をにじませる。
それで済むことでイコール済むはずなのに。
あんだけ神妙な会見は、やっぱアンタもこぶし振り回したわけねと考えざるを得ない。
もしそういう事実が明白になったら、謝罪記者会見の意味がない。
肝心のところがぼやけた今日の謝りすぎは更に身を滅ぼす。

しかし、海老蔵さんに限らず、イケメンというのは、どうもいいことばっかりではなさそうで。
並みの人よりちょっと鏡の前で自分の恍惚時間が多いだけで、
イケメンが重い時もあるかもしれない。
表情が整いすぎて必死の思いが伝わりにくいいらだちを自分でも感じるときもあるだろうと、
事件とは別に、決してないものねだりでなく、そう思う。

うちの生徒さん、故障者続出で。
Ｙさんはぎっくり腰　花壇の手入れ中。「センセのがうつった」ってあなた、ぎっくり腰ってうつるものですかい。
Ｎさんは左手中指骨折　車のドアを後ろ手で閉めて。「４０年車運転してるけどはじめて」さらに「６０になって初めて骨折った」 暮れの時期。ホントに災難は、ご主人でっしゃろ。
Ｉさんは市の検診に引っ掛かって、肺は曇る心臓は再検査。
Ｓさんは明日骨密度の検査結果、いい結果出ないのは納得なさっている。
そんで、センセはやっとみぞおち、痛みが取れて、咳きでもひびかない。ただし、太ももは特異な色に紅葉中。

お祓いはしません。
災難をかいくぐって、人間は強くなる！

こぶりのシニアが二人、湖岸沿い。小春日和で波もない。
Ｉさんと忘年会　の予定が、、。
京都ユザワヤは西武に変わり、昼の宴会はお好み焼きに変わり。
そのあと湖岸を歩いて。

シニアが二人、琵琶湖に向かってこぶしを上げる。
ふたりとも家籠りの日が続いたから「いっぺん　しゃきっとする」が本日の目的に変更。

この程度でなんかやる気がバリバリ出てきて、カワイイもんです。
はらはらと落ち葉に囲まれて、不思議の国のアリスになりそうな気がするもんだから、お好み焼きの勢いでプラタナスの幹をゆすってみても、 びくともしませんけど、なんだか楽しくて。
もう一人は、すずかけの実を拾ってクリスマスリースにすると。
家の空気より酸素が多い気がして、今日のお天気まで自分で勝ち取ったような気になって。

めでたいシニアが二人、こんな日があるから、明日が輝く。来年が輝く。
いい一日、ありがとうって。

お顔の見えない人が気になる。

新聞の地方欄に毎週俳句を投稿している人、好みの静かな心象が伝わって好きな方だったのだが、この頃てんとお名前が載らない。
お歳召した男性の感じを作風から受けていた。どうなさっているのだろと気になりだしたら。
だけど、お顔も知らないし、探るすべもない。元気だったらいいのに。

もうおひとり、参加している大津ＳＮＳの男性。
いつも的を得た冷静なコメントが書かれていて、 それでも本職の大学の先生かよぅと思える料理談義やジャズフェスティバルに大丈夫かぁと思うほど 張り切られる様子もあって。
このところ、その方の出没がない。
単純に、パソコンの故障かなぁと考えたいのだが。

ごきげんようで付き合いたいのだけれど、いずれもお顔の見えない人を相手だから。
勝手に不安、ちとさびしい。
もちろん、むこうだって、ご存じないわけだから。

いろんな人がいろんな分野で社会に発信されて、ステキと思わせる。
頼りない付き合いであっても、投稿やコメントで発信するということはそういうことだ。作家も似たような立場か。

あるいは、お顔が見えない頼りなさが、またいい場合もある。
ワタクシ　メ。

誤解を受けていそうなところがたくさんあって、それも、どうしてもステキな方に誤解されているなとはっきり思うことがある。
当然、直接の出会いには隠れる必要がありで、陽の元に出たらちょこ１０年の日刊がパーになること請け合い。
いくら事実をリアルにと思っても、指がついつい飾りをつけてしまって。

刺繍をしている時って、結局、頭の中はこんなこと考えているわけで、今朝もお目にかかれなかった俳句からずーっと気になって、 だんだん思いを馳せる場面が拡大してゆくわけ。

まだ見ぬ人を恋うるのは、切ないものです。

信州からリンゴの贈り物。
もぎたてのリンゴがこんなに美味しいものなのかと、バリっと音立ててかじっています。
今、うちのスーパーでは１個１５３円。母に毎日食べさせたいからと思っても、まず美味しくない。
ふかふかで、昔食べたように好きな酸味も乏しい。
新鮮、みずみずしいのすごさ。産地の地元の人たちは、こんなリンゴを食べているわけか。
だったら、この滋賀県あたりで、新鮮で勝負できるものって？

それより早くご近所にお配りしましょう。「どうじゃ」と新鮮リンゴの自慢して。

やっとお天気が安定した感じ。昨日はいったい何でしたんや。

別にコレステロールが高いと注意されたわけでもないのに、母は卵は罪悪とさえ思っているようでいつも残す。病歴にも注意の経験がない。
せめて朝のハムエッグにはと、炒り卵半個分付けたら食べてほしいし、卵雑炊もきれいで簡単だし、何より卵そのものが安くて便利な食材。
献立に使うお魚の種類が少ない私にはせっせと卵が使えたらどんなにラクだろうと思う。

残っていたはんぺんを包丁で潰して、溶いた卵にたっぷり入れてみた。
頼りないくらいふわふわの卵焼き。形にまとめるのが大変で。
あんまり頼りないので、エノキのあんかけにした。
やさしい一品だし、卵も３人で２個だから怖がることもない卵の量。
つまり、卵に加えるものを考えたらいいわけで、また面白い挑戦になる。
もちろんすり身だって、野菜だって悪くないだろうし、豆腐だってこれは蒸した方がいいか。
やっぱり、食べてもらうためには、ひと手間ですか。がんばってみましょう。

お医者さんは、栄養がどうの血液がどうのの問題はない。食べモノが胃腸を通過するだけで、成分摂取はないはずとおっしゃる。
塩分だけが注意事項。甲斐あってか血圧も足のむくみもいっときより納まっている。
ところが母は塩っ辛いものが好みで、「近頃の鮭は、、」とご不満みたい。
母の鮭は、生鮭に少し塩をふるだけで、芯まで辛くはない。
ご不満はわかる。私だって鮭なら歯にしみるような辛い鮭が食べたい。
一切れが２回も３回も食卓にのるような昔の新巻き鮭。

刺繍で半日と夜なべ。一気ははかどらないことは解かっているのに、へたり込んだらお尻に根っこ。静かな週末。
友人と約束した月曜日の京都行き、どうするかなぁ。
着替えて外出もめんどくさい気もするし、ユザワヤ詣でも済ませたいし。
天気具合見て、うちでゆっくりお昼にしましょうか。
「ぎりぎりまで考えようね。」でメール。

うん、わたしやっぱり、ご馳走作りたい。定食屋のオバサンが好きだよ。ほかの人にも声かけて見よう。
「お昼をごいっしょしませんか」。

お歳暮と喪中欠礼葉書が一緒に来ると、複雑な気分。本家と分家から。
お歳暮は、母が喜んでと　元気にお礼が言える。
知らなかった喪中。家族葬で済まされたらしい。
大丸にお勤めのきれいな方だった。
退職されてからの暮らしはわからないけれど、それぞれの終焉の形だけ想像して、お返事は来年松の内が明けてから。

昼前、ごーっと音がして、みー子さんが家に駆け込んできた。
娘からメール「変なお天気やねー、寒くないようにしてね。」
おかぁさんよりもあなたの方が心配よ。「お勤め帰り、気をつけてね。」

窓のむこうのとくさが斜めに見事に勢ぞろいして、突風。
穏やかな日和が一転した。やがて雨。変なというより、天の神様お怒りかと思うほど怖いお天気。

こんな時は、静かに待機がいい。ミシンを刺繍に変えて。
神様ご機嫌をなおされたようで、晴れ間。１枚脱ぎ１枚脱ぎして暖かい。
絶対よ、こんな風のあとは。
神社に落ち葉拾い。お絵かき用。落ちてすぐに拾わないと、色は変わるし、乾燥して艶が無くなる。
葉っぱどころか、木の枝まで。風の通り道は、かなりの強さだったのだ。

神社の向かいは本屋。籠り用の本、何かないですか。
週刊誌のタイトルは民主と海老蔵ばっかりで。
いっぺん落ちるとタイヘンですなぁ。

夜、もみじを色鉛筆で描いていたら、息子が言う。
「三井寺あたりで拾ってきてあげようか。」　「いいの、いいの。」
「えらい安上がりのモデルですなぁ」って、いいのよ。
もみじはもみじ、馴染みの神社でひっそりと地に落ちて、風にまくられながら土になる。

あっちが痛い、こっちが痛いと言ってると、まとまったことができなくて、晴れで暖かい日を狙ったカーテン洗いもできず。
追いやって追いやって、晦日に収拾つくんかなぁ。
ホントは上旬でキリ付けて、ひとさまが走りだされる頃は、長いスカートでぞろりと優雅で居たかったのに。

時間の配分がよろしくないなぁと思う。
結局、台所であれこれ時間が長すぎる。
作って洗っての繰り返しはどこでも同じだけど、柚子がキッチンに転がっていると、もう眼が離せなくて。

柚子味噌作り３日連続は異常ですぜ。
今日は何でもチンのご時世、電子レンジで出来ないわけがないやろ　から、チンで柚子味噌作り。
すり鉢に味噌、みりん、砂糖を入れて擂りこんだら、チン。冷めたころに熱湯を通した柚子皮と柚子汁を混ぜ込む。
柚子はあんまり加熱したくない。昨日は皮をすりおろしてあくまでクリーミーにとろ火で長時間、 今日は黄色い皮だけをへいで針に刻んでみた。少しぶつぶつの入った感じ。

柚子も魅力だけど、お昼に柚子味噌を中に入れた小さなおにぎりを母に出したら、えらい喜んでくれて。
こういうことが励みになって、いったい、どんだけのメニューが楽しめるか挑戦したくなった。
今夜はゆでた豚肉にかけてみた。
しばらく、いろいろ作って写真に撮って、柚子パレードでお披露目しよう。

少し刺繍、ベットで文庫を読み切って。
「やったー」感　もうちょっと欲しいなぁ。

突然母が笑った。声をたてて朗らか。
年賀状を書きながら、思いついた。
「おばぁちゃんもお年賀状書いたら。おめでとうだけでいいのよ、元気にしてるって喜んでもらえるわ。」

母に字を忘れてもらっては困る。
補聴器をしんどがるときがあって、ついついはずそうとするから、それは負担になるのならそれでいいのだけれど、 そうすると、母への伝達は、大書きした文字でしかない。
「お使い行くから、じっとしていてね。」であったり、「夜中、しんどくなったら起こしてね。」だとかそんなカードがいっぱいある。

いい思いつきのつもりが、ドキッとなった。認知症特有の譫妄状態かと。

母は故郷での暮らしを思い出したらしい。
馴染みとの日々のことや好きだった畑仕事を思い出して、頭の中で遊んでいるらしい。
イヤなことも苦しいこともいっぱいあっただろうけど、ぜーんぶ忘れて、楽しかったことだけが残っているのなら。

結局、お年賀状を書けなかったけど。
１２月。母はきっとまた新しい年を迎えられる。

みー子さんは、さすがに早朝外に出せとは言わなくなった。
その代り「早く炬燵をあたたかくしてよ。」と起こす。
ついてくるかどうか振り向き振り向きわたしを確認しながら、リビングの炬燵に導く。
薬飲み飲みでも元気。「缶詰なんていやーよ」と上にのせた焼き魚だけ食べて、ワタチの部屋よと炬燵の中で、長々と大胆に寝ている。

わたしの１２月。足を引きずり引きずり、まだ正座ができずに居る。
みぞおちも咳が怖くて。
大丈夫、このくらいで済んだことの方を喜ぼう。
クリスマス色でＨＰを更新。